
「文化人類学特殊講義 IA(公共政策と人類学)」(火、7.8限)のコースです。
大学院生が対象です。
教室は「文化人類学実習室」(法文学部棟)です。
文化人類学はフィールドワークを通じて異文化社会への理解を深める学問であり、開発途上国における政策の現場に必然的な形で立ち会って来た。公共政策/開発/国際協力は過去、主に経済や政治の枠組みから語られてきたが、文化人類学では公共政策を巡る関係者の力関係や利害の対立を含めた分析を行うとともに、政策対象となる住民の視点に力点を置き、人間の自由と尊厳を重んじる開発のあり方を考察する。本演習では、アフリカにおける「がん」対策を主な事例に挙げ、グローバリゼーション、公共政策、開発援助、健康医療、患者の当事者性などを切り口に隣接分野を含む文献講読と意見交換を行う。また、受講者が自らの研究データを人類学の理論的枠組みを用いて分析し発表する機会を設け、様々な具体例やデータを通じて公共政策の社会的側面とあり方を検討する。
- 教師: 井田 暁子